2007年9月

2007.09.02.
 ようやく峠を越えたという感じである。この一週間は雨や涼しい日が続いたので、芝の成長が目に見えるようになった。ただ、全体としては茶色が目立つ。まとまった枯れが新規に発生したところはないのだが、小さな枯れ地が点在している。その面積の合計はけっこうありそうだ。枯れ草の下から緑の葉が出ているところもあるが、出ていないところがほとんど。出ていても枯れ地が元に戻ることは期待できないので、追い蒔きはやらなければならないだろう。

 雨がちだったので菌糸の発生が心配だったが、今日のところは確認されなかった。明日からは残暑がぶり返すという予報だし、そろそろ予防殺菌をしてもいいころだが、のっぴきならない事情により、今日は芝刈りだけで殺菌剤散布はやれなかった(その気になれなかった)。ただ、芝刈り中に飛ぶ小さい虫がかなりたくさんいたのと、ヨトウガ(?)が今までになく見られたので、在庫があったオルトラン粒剤を撒いてみた。オルトランは、たくあんのようなニオイがした。


本日の定点観測写真。だいぶ暗くなってからの撮影なので、ちょっと色合いが変。

2007.09.09.
 9/5から8日ほどアメリカに出張したので、あちらの芝事情を(見ることができた範囲で)レポートする。
最初に滞在したのはオハイオ州。オハイオには何度か来たことがあるが、今までは芝生の種類や状態にはまったく無関心であったので、今の状態が以前と比較してどうなのかということは言えない。

ここで使用されている草種はフェスク、ブルーグラスの類と思われる。刈り高は高そうだが、刈ってからどれくらい経っているのかわからないので本当の刈り高は不明。民家、店舗などの芝生の状態は、ばらつきはあるがどこも全面緑とはいかず、点々と茶色いエリアがある。かなり広範囲に枯れているところもある。日本の民家と比較すれば、どこも面積は桁違いに広いので、定期的な芝刈りと年に1,2度の施肥くらいしか管理をやっていないのではないか。雑草もあまり気にしていないようだ。

写真左はアウトレットモールの中庭の芝生。比較的整備されているようだ。右は住宅街の庭。これはひどい方。


ハイウェイの休憩所の芝生。草は長いが寝ているため、丈はそれほどない。

どんな芝関連商品があるのか興味があったので、Wal MartやLowe'sといったホームセンターに行ってみた。まずは芝の種だが、その袋の大きさと値段に驚く。20kg以上入っていて、$70くらい。草種は、トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、ケンタッキーブルーグラスなどの混合と、ライグラスを中心にした混合と、2パターンあるようだった。

日本では見ない商品として、補修用資材があった。種と目土代わりのペーパーマルチを混ぜたもので、裸地に蒔いて水をかけるだけという商品だ。我が家の芝生にも今裸地があるので、試しに使ってみることした。7割がマルチで残りが種で、その内訳はライグラス、レッドフェスク、KBGとなっている(下の写真参照)。周囲とは違う芝生になりそうだ
保水用のマルチと種のセットでキットと呼ぶのは大げさだと思ったら、まだフィーチャーされているものがあった。それはAdvanced Soil Technology(種に水がしみ込みやすく発芽が早くなる), Seed Watering Guide(水まき時がわかる)、Penkoted Seed Technology(発芽直後の病気予防コーティング)の3つである。


それ以外には特に芝関連グッズは見つからなかった。直接芝とは関係ないが、簡易雨量計が売っていたので買ってきた。エアレーションやコアリングの道具はどんなものがあるのか興味があったが、今回行くことができた店には置いてなかった。

オハイオに5日ほど滞在した後、ジョージアに移動。ここは、ティフトン芝を開発した試験場がある州だ。スケジュール上、一般の民家の庭をみる機会がなかったので、出張先の工場とホテルの芝だけの話をすると、ティフトン芝かな?という感じはする。一見、高麗っぽいのだが、根元を見てみると高麗とはちがう。ただ、今まで本物のティフトン芝を見たことがないので、確かなところはわからない。


出張先の工場の玄関の芝。左がアップで、右は広範囲が枯れている写真。写真は色が全然出ていないが、赤やけと言えるくらい赤茶色の枯れ方だった。


泊まったホテルの芝。左は状態があまりよくないところのアップ。右は元気がいい(けど刈られていない)部分。上の工場とは違う種類か?
オハイオもそうだったが、全体的に状態があまり良くなく、枯れ果てているところ、裸地になっているところ、元気のいいところまちまちだ。変な話だが、なんとなくほっとする。
2007.09.15.
  10日ぶりに見る我が家の芝生は、多少伸びている以外は特に変化がなかった。とりあえず、芝刈りを実施。意外にも一輪車がいっぱいになるくらいの刈りカスが出た。

 芝刈りの後、目立つ雑草を抜きながら、USで買ってきたリペアキットを使ってみた。まず、裸地の表面をひっかいてゴミや枯れ草を除去。その上にリペアキットを振りかける。手持ちのKBGの種も少し混ぜてみた。裸地になっているところの分くらいはあるかと思ったが、全然足りなかった。もう一袋買ってくればよかった。

 キットがなくなった後は、手持ちの種を使って補修を続けた。疲れたので途中で切り上げた。


左が裸地にキットをまいたところ。「散水タイミングがわかる」というので、色でも変わるかと思ったが、水をかけても変わらなかった。
右が内容物の内訳。かなり細かく書いてある。



2007.09.19.
 今朝、水やりの時に先週土曜日にまいた補修キットの種が発芽しているのを確認した。高さは約2cm。昨日の朝は気づかなかったので、その後に発芽したのではないか。播種から三日後に発芽し、24時間で2cm成長したことになる。ライグラスは発芽・成長が早いとは聞いていたが、驚くほどの早さだ。


 その反面、気になることもある。先月以来、病気が発生しているようには見えないのだが、枯れの範囲が間違いなく、少しずつ広がっているのだ。枯れ草を引っ張ってみると、抵抗なく1cm弱の厚みの土とともにほろりとはげる。根本の土は今日入れたばかりのように軟らかくほぐれている。かなり深くまで掘ってみても犯人の姿は見つからないが、虫による食害であることはほぼ間違いない。スジキリヨトウか根切り虫か。急遽、オルトラン粒剤の残りを散布した。今まで虫の害はほとんどなかったのだが、ここにきて病気よりも甚大な被害を受けそうな予感だ。早急に次の殺虫剤を調達せねば。
2007.09.20.
  今朝はケンタッキーブルーグラスの発芽も確認。1週間以上かかると予想していたのに、5日での発芽は驚き。
2007.09.21.
 出勤前に芝生をチェックしてみたところ、また蜘蛛の巣がいっぱい発生していた。立体的になりつつあるものもたくさんあり、問題となりそうな雰囲気を漂わせている。明日は芝刈りの後殺菌剤をまくことにしよう。

2007.09.22.
 今日は歯医者通いのあと家族の用事に付き合い、その足でジョイフル本田に行ったりしていたので、午後5時をすぎてからの芝刈りとなった。終わった頃には暗くなり、殺菌はできなかった。

 ペレニアルライグラスはぐんぐん伸び、周囲の芝草より背が高くなっている。色が薄いので目立つが、裸地よりはいい。ここもそのまま芝刈り機を通したが、やはりうまく刈れず倒しただけだった。明日はさみで刈ることにする。
 写真だとわかりにくいかもしれないが、左上から右下にかけて周囲より明るい黄緑色になっているところが補修跡。一週間ですでに地面が目立たなくなっている。

 今使用している芝刈り機はナショナルのものだが、音が静かという触れ込みと刈り高40mmという点が購入の決め手だった。しかし、音が静かなのは回転歯と固定歯が当たらないようにセットした場合で、これだと西洋芝はうまく刈れない。西洋芝が刈れるようにセッティングすると、決して静かではない。また、刈り残しも多い。芝の密度が高いところはいいのだが、まばらなところ、裸地周囲などはかなり残る。それが非常に不満だけど、その辺が完璧な芝刈り機ってあるのかな。
2007.09.23.
 今日は朝から想定外の雨のため、散らかった部屋の掃除をした。午後になるとほぼ雨が上がったので、庭仕事を始めた。雨で流されたのか菌糸は出ていなかったのと、いつ雨が降り出すかわからないこともあって、殺菌は見合わせ、枯れた部分の補修を完了させることにした。種の在庫はKGBだけだったが、ペレニアルライグラスの成長の早さがすごいので、こいつを使って早期の回復を図るため、近くのみのりで種を仕入れてきた。
 PRG:KBGを体積比で5.5:4.5くらいで混合し、枯れ草をできるだけ除去しながら蒔いていく。枯れ草がサッチ化しているところにはチャダイゴケが生えている。
 細かくやっていくときりがないが、一通り枯れが目立つ部分は補修完了。後は様子を見ながら必要に応じて補修しよう。種はまだある。

 
左は先週使った補修キットの成分が今日の雨でゼリー状になったところ。右はサッチに生えたチャダイゴケ。


2007.09.26.
 今朝も菌糸発生。竹ぼうきで朝露を飛ばすだけしかできず出社。帰宅してから、もう真っ暗になっていたけど補修跡とその周囲だけ殺菌。今回は、ピシウムの特効薬と言われるプレビクールN液剤の500倍を5リッター、噴霧器で散布。明日の朝菌糸が出ていなければうれしいが。

 昨日、ごく一部だが二度目の補修で蒔いた種が発芽しているのを確認。今週になってだいぶ涼しくなってきたので、発芽が遅くなると思っていたけれど、思ったより早い。
2007.09.27.
 昨晩の殺菌効果を見るため、早めに起きて庭に出てみた。恐る恐る補修跡を見てみると・・・完全ではないけれど、蜘蛛の巣の発生はかなり抑えられているようだ。ただ、殺菌のタイミングが遅かったので立ち腐れしているところも一カ所発見。草はKGB。(右の写真は9/29のもの。)

 初回の補修で蒔いたペレニアルライグラス(長くてめんどうなので以下PRG)は、周囲より成長が早くて色が薄いので目立つ。もう少し遅くていいから色が濃くなってくれないものか。それでも、あっという間に裸地が埋まったのはうれしい。


2007.09.29.
 蜘蛛の巣は相変わらず発生しているが、まだ薬が効いている感じはある。高価だけど効果は期待通りだったといえる。
 それより、成長の勢いの回復が期待通りにいかない。特に北側の部分では少しずつ枯れ地が増えているような気がする。二度目の補修部分の発芽も芳しくない。元々北側は6月くらいの時点でも色も密度も薄かった部分なので、土壌に問題があるのかもしれない。

 ということで、今日は芝刈り後に完熟堆肥を投入してみた。堆肥は某グリーンキーパーさんおすすめの、鹿沼化成工業の鹿沼有機である。これを使うことで微生物の量を増やし、特定の病原菌が暴れ出すのを抑えるというもくろみ。袋に書いてある使い方にはコアリングの後すり込むとあったが、現状のまま目土代わりにまいて、ほうきですり込んだだけ。補修部分、枯れ地には多めにまいた。病気予防以外に、サッチの分解促進も期待している。次回まくときは、せめてスパイキングくらいしてからにしよう。

 これでしばらく様子を見て、適当なところで土壌改良の目的でカニガラ肥料をまいてみようと思っている。これは、いろいろアドバイスをくださっているデデさんが紹介してくれたもので、土の上にまくだけで地下数十センチまで柔らかくなるとHPには書いてある。話半分としても、試してみる価値はあると判断した。
2007.09.30.
 今日は朝から雨のため、作業はせず。ジョイフル本田に行って、ピンコロ石際の仕上げ用にターフカッターを購入。