2006年11月

2006.11.05.
 本当なら、今週芝の種をまくはずであった。
 先週から雨が降っていないが、庭の土はまだかなり水分を含んでいて、南西の日陰部分はまだ非常に柔らかい。それでも、苦し紛れにつけた溝のそばなど、何かしら手を入れたところ周辺は水気が少ないので、何かやれば改善されることは確かなようだ。
 とりあえず一週間考えて決めた方向性は、まず庭に深い穴を掘り、そこに底有りと底なしの雨水桝を二段に積み上げて設置する。そこへ、庭中に張り巡らせた暗渠をつなぐ。取り回し長と必要勾配から計算すると、排水枡と有孔管の接続口は明らかに既存の雨水枡の水面より低い。はじめは何とか底なしの枡を使って地中に浸透させられないか考えたが、地下の含水量が増えて将来に禍根を残すことになっては困るので、地中浸透はさせずに、強制排水することにした。強制排水は汚水対応の電気ポンプを使い、水面が上がったときだけ起動するようなスイッチで動かすつもり。

 それから暗渠についてだが、基本+αで埋設する予定。まず溝を掘って勾配をつけ、透水シートを敷く。そこに溝幅分くらいの不透水のシートを敷き、その上に有孔パイプ(これは、ホームセンターで手に入るものにするか、ヘチマロンにするかで迷っている)を置き、砕石を入れ、そして最初に敷いた透水シートでこれらをくるんで、その上に土をかぶせる。不透水シートは不要なのかもしれないが、想像する限りはあった方が水の流れがよくなるような気がするので、今のところ使う予定だ。
 土曜日は、これらの工事を行う場合に必要となる資材が手にはいるかどうかを調べるため、HC巡りをした。その結果、手に入らないのはヘチマロンと透水シートだけであることがわかった。透水シートはネット通販で買うことにし、ヘチマロンはメーカーに問い合わせることにした。

 というわけで、今週はほとんど作業はしていない。やった作業といえば、嫁の命令による地面の踏み固め(踏み固めれば水がしみ込まずぬかるみにならないはずという主張に対応)と、芝の種のテスト播き、排水枡設置用の穴掘りくらい。
 芝の種まきは、本番用に買ってあるものを少し育ててみて、タキイの商品と比べてみるのが目的。先月播いたやつは順調に成長しているのだが、一部にやけに葉幅が広いものが見られ、そいつの成長がやけに早いのだ。雑草かもしれないが、そういう点も含めて違いを比較してみたいので、すぐそばに播いた。



 排水枡用の穴は、とりあえず入り口の直径φ400mm、深さ600mmくらい掘ってみた。最初の200mmくらいは石がごろごろ出てきたが、その下は石がほとんどない色々な色の土の層で、掘るのは楽だった。掘った穴の底を見ると、水が浸みだしていたので、それほど深くないところがかなり水を含んでいることがわかった。



 来週は、土曜日までに資材をそろえ、工事を開始する予定だ。

2006.11.12.
 昨日は雨で作業できず。今日は雨が上がったので、金曜日に仕入れてきた透水管の敷設を実施した。今回はまだ暗渠排水の効果確認も含めたテスト段階の位置づけだ。
 買ってきた透水管は、大日本プラスティックの「ネトロンパイプ」φ50。ゴルフバッグの中でクラブのシャフト同士が絡まないように入れる、あのネット状パイプを太くして、その外周に補強材をらせん状に巻いたもの。この補強材は、パイプ同士を接続する時のねじの役目も持っている。4m単位でしか売っていないのが難点だが、すぐ行ける場所で手に入るのがよい。

 まず、地面に溝を掘る。その場所は、一番水気が多くて舗道側への雨水流出ポイントになっているところを選んだ。
 ふるい掛けなどで苦労した表面の土を剥がして移動させた後、鍬を使って溝を掘っていく。余裕でネトロンパイプが埋まる深さからスタートし、集水枡へつながる背骨にあたるパイプ埋設予定地まで、1/100の勾配をつけながら掘り進めるが、所々で大きな石やがれきにぶつかり、体力を消耗する。

 勾配の測定方法だが、他のサイトにも見られるようなレーザー水平器を使用した。水平器でスタート地点から水平にレーザー光を出し、各測定地点がスタート地点からどれくらいの深さになっているかを確認しながら勾配をつけるわけだ。1/100というのは、100cm先が1cm高い/低いという微妙な勾配なので、目分量ではなかなかつけられない。もちろん、勾配は大きい分には問題ないが、その分掘る手間が増える。埋め戻すときの資材も余分に必要になる。それを嫌って、最低限の勾配を狙っている。


 溝掘りの途中で大きな岩石に出くわすと大変だ。狭い溝の中で、なおかつ溝をあまり広げずに掘り出さなくてはならない。無理に作業をした結果、スコップの柄を折ってしまった。今度は金属の柄のものを買おう。
 左の写真は、我が家の敷地内では今までで最大の石。同じ造成地内でも、もっとひどい区画もあるらしい。
















 とりあえず体力を消耗しつつも、溝掘りが完了した。そこへ、ネトロンパイプを置く。パイプの浅い側の先端には、土砂の流入を防止するためのキャップをつけなければならないが、純正品は店に売っていなかったので透水シートをかぶせて代用した。

 パイプを足で押さえつけながら、上から玉砂利を流し込む。パイプが十分隠れたら、透水シートを上から掛けて、その上にまた玉砂利を敷いていく。
 最初は、パイプ・玉砂利含めて透水シートでくるんでしまう予定だったが、ある参考書に上側だけでよいという記述があったので、透水シート節約の意味もあり、そのようにした。

 さらに埋め戻しを進めていくが、ここで失敗があった。買ってきた玉砂利だけでは埋めきれなかったので、残り数センチの部分に溝を掘って出た土を使ってしまったのだ。その時は全然気にしていなかったが、後で透水性の悪い土をかぶせたら意味ないんじゃないかということに気づいたのである。

 まあ、やっちゃった後なので、今やり直すのも後でやり直すのも同じだから、とりあえず先に進むことにする。

 
2006.11.18.
 先々週播いた雪印の種のようす。発芽は、ちょうど10日目に確認した。これから寒くなるが、どれくらい成長してくれるだろうか。寒くなる前にサカタのタネとの比較ができるところまでは成長できないかもね。 



 さて今週は、背骨に当たる溝を掘る。先週掘った一番深いところから、さらに1/100の勾配をつけながら集水枡(予定地)に向かって掘っていくのだ。要領は先週と同じだが、ちょっと深くなる分時間がかかることが予想された。

 左右にうねりながらも、何とか掘ることができた。先週と同様、大きな岩石に出くわしたが、今週からは鏨(タガネ。こんな字だったのか)を導入したので、鍬やスコップへの負担はかなり減った。
 また、今日は水を流して勾配を確認する余裕があった。ちゃんと流れましたよ。

 左の写真奥が、先週掘ったところとの合流地点。右の写真奥が、集水枡予定地。
  

 先週、最初の溝を掘っていて気づいたのだが、地面にできている水たまりの横を掘っていたときのこと。溝を掘る前も掘った後何時間か経っても、水たまりの大きさが変わらないのだ。ある程度水はけがよければ、じわじわと溝側に水が浸みだして、水たまりは小さくなるはずなのに。これは、土自体の水はけが極端に悪いとしか考えられない。暗渠と同時に、土の水はけも改善しないと効果がなさそうだ。

 というわけで、ちょっと実験してみた。
2006.11.19.
 実験というのは、土の水はけテストである。500ccのペットボトルの頭と底を切り取って筒状にし、一方は不織布でふさぐ。
これに、
 1. 庭の土をそのまま (下の写真左)
 2. パーライト10%混合 (下の写真中)
 3. パーライト20%混合 (下の写真右)
という3種類の試料を入れ、突き固めてから水を入れた。
2.が3.よりもパーライトの割合が多そうに見えるが、そんなことはない(はず)。

 結果は、予想通り1. はまったく排水しない。一晩おいてもほとんど水位は変化しなかった。論外である。2. 3.はパーライトの混合比のちがいほどの変化はなかったが、水はけがよくなることは間違いなさそうだ。


 今度は、もう少し規模を大きくして実験してみた。パーライトの在庫が5Lほどあったので、これが20%程度の混合比になるくらいの範囲に混ぜ込んでみた。場所はネトロンパイプの端の方にかかるように選んだ。月曜日は雨の予報なので、結果が出るだろう。


 この後、次の溝掘りを始めたが、2mほど掘ったところで日没タイムアウトとなった。

2006.11.21.
 昨日は予報通り雨だった。
 朝起きて庭を見てみたら、予想外のことが起きていた。週末に掘った溝に、雨水が充満しているのだ。これでは暗渠の効果やパーライト混ぜ込み実験の結果確認などできない。とりあえず、バケツを使って水をかい出したが、すくってもすくっても水が減らない。気温は十分低いのに、汗をかきながらの作業となった。
  

 水中ポンプの導入は暗渠完成後にする計画だったが、少し多めに雨が降るとこうなるようでは、今すぐにでも調達した方が良さそうだ。
 パーライトを混ぜ込んだ部分は、溝から水をかい出す前は少し水たまりがあったが(ややあいまいな記憶)、かい出した後は水たまりがなくなっていた。
2006.11.22.
 翌朝、ようすを見に庭に出てみた。溝にはまた水が少したまっていた。昨日は泥水だったが、今日の水は澄んでいる。周囲からじわじわとわき出してきた水だからか。それとも、単に沈殿しただけかな。

 水量があまりたくさんないのと、面倒なのでかい出すのはやめた。

 パーライトを混ぜ込んだ部分に足を踏み入れてみたが、期待したほど排水されていないようで、長靴がけっこう潜っていく。周囲の地面とほとんど差がないようだ。下に暗渠があるかないかの差も、全然感じられなかった。パーライトではダメなのだろうか。


2006.11.24.
 水はけ改良材として、何かいいものはないか、会社の帰りにホームセンターへ寄った。そして、この週末にテストする素材として、腐葉土と籾殻くん炭を買って帰ってきた。

 家に帰ると、先日発注した水中ポンプが届いていた。買ったのはリョービのRMG-3000というモデル。最大吐出量110L/min.という能力は、今回の用途にはオーバースペックだが、汚水ポンプの中では一番安かった(それでもいちまんえんちょい)のでこれにした。探せばもっと安いのがあったかもしれないが、すぐに欲しかったので即断した。これで雨が降ってももう大丈夫だ。

2006.11.25.
 昨日買ってきたくん炭を使って、水はけ実験を行った。今回試すのは腐葉土、くん炭、パーライトをそれぞれ3割程度混ぜたもの。前回の実験と同じヘットボトルに入れ、突き固めてから水を入れる。この段階で一番水はけがいいのがくん炭、やや遅れてパーライト。腐葉土は意外にもほとんど水が抜けない。1時間以上たってもほとんど変わらなかった。

 水が抜けた他の二本に対しては、雨による締めを想定して、煉瓦に何回かたたきつけて土を圧縮した。この時、パーライトが入った方は表面が液状化したので、土中の水分はかなり多いと思われた。くん炭の方はそんなことはなかった。

 その状態で、また3本とも同じ高さまで水を入れた。当然のことながら初回より水はけは悪い。じーっと見ていると、くん炭のボトルでは少しずつ水が減っていくのがわかった。

 ここまでやった後、先週中断していた溝堀りの続きを行った。途中、一カ所にとても大きなコンクリートの破片があった。タガネでも簡単に砕けないため、あきらめて迂回させることにした。こいつは、先々週の石よりも大きいに違いない。

 一通り掘り終えた後昼食を摂り、午後は家族に付き合って買い物に行った。帰ってきてペットボトルを見てみると、意外な結果になっていた。くん炭・パーライト・腐葉土の順で水が減っていると予想していたが、結果はくん炭・腐葉土・パーライトの順だった。パーライトが最初の腐葉土並の水はけの悪さになっているのと、腐葉土が途中で挽回していたのが予想外。前回のパーライトでの実験結果も含めて考えると、くん炭が一番水はけ向上に効果があるような気がする。次週はくん炭を多めに買ってきて、パーライトと同じように実際の地面で実験してみようと思う。
左からくん炭、腐葉土、パーライト。


 集水枡予定地に昨日とどいたポンプを仮置きし、ホースを最寄りの雨水枡に差し込んでおいた。日曜の夜から雨の予報なので、月曜日には稼働させられるかもしれない。


2006.11.27.
 26日の夜から雨。それなりの雨量だったので、期待通り?溝には水がたまっていた。さっそくポンプを回してみたが、数分で水を排出することができた。ポンプの音はほとんどなく、周囲に迷惑を掛けることもなさそうだ。後は、フロートスイッチを作らないとね。